市街地実戦格闘技・掣圏道についての報告書③「掣圏真陰流とリアルジャパンプロレス」
設立当初は大々的に興業展開していた掣圏道だったが、次第に興業数を減らしていく。そして掣圏道は掣圏真陰流に名を改め、より武道の道を突き進むことになる。
また2010年には「武道 掣圏」という大会を開催、ロープなし正八角形のリングでの変則総合格闘技ルール(攻撃が無ければブレイク、3秒以上の抑え込みで制圧というポイントが入る)で真の武士道精神を持つ強者が集結した。
またロシア軍団が抜けた掣圏真陰流を支えた掣圏道四段で師範を務める桜木裕司はあらゆるリングに上り、掣圏真陰流の看板を高めてきた。キックボクシング、パンクラスやDEEPの総合格闘技だけではなく、素手あり頭突きありのMMA「パンクラチオン」にも積極的に参戦し結果を残してきた彼は「現代に生きるサムライ」と呼ばれている。
武道として掣圏真陰流を確立しようとする一方で2005年に佐山聡はプロレス団体「リアルジャパンプロレス」を旗揚げする。リアルジャパンではプロレスの試合の中に掣圏真陰流の試合も組まれたこともあった。
リアルジャパンは今のプロレス界において希少価値となったストロングスタイルを全面的に押し出す団体である。様々なタイプのレスラーが集結するが、この団体はたまに奇跡的なマッチメイクや好勝負が生まれることがある。
佐山が扮する初代タイガーマスクで語ると丸藤正道や飯伏幸太といった21世紀の天才レスラーとの一騎討ちや天龍源一郎とのレジェンド対決、鈴木みのるや大仁田厚との抗争などを展開してきた。また二代目タイガーマスクこと三沢光晴との生涯唯一の対戦(タッグマッチ)も実現している。
またリアルジャパンの至宝であるレジェンド・チャンピオンシップを巡り、船木誠勝VS関本大介、船木誠勝VS大谷晋二郎、船木誠勝VS藤田和之といったこの団体でしか実現しないであろうシングルマッチが実現している。
武道として掣圏真陰流を極める道を進む一方で、自身の源流であるプロレスを復興させるためにリアルジャパンプロレスを展開する佐山聡。恐らく彼はひとつの道を進むより、二つの道をバランスを取り歩いていきたいタイプなのかもしれない。
最近佐山は体調不良もあり、公の舞台に出る機会が減っているが、プロレスと武道の両立は佐山にしかできない荒業だと思われる。だからこそ彼にはもう一度立ち上がってほしいと切に願っている。
今回の我輩からの報告は以上であーる。